●第一講座の金菱先生からは、「古典ヨーガと現代ヨーガのつながり」という テーマで、『ウパニシャッド』→『バガヴァッド・ギーター』→『ヨーガ・スートラ』 と順に読み解いていき、「ヨーガ」という言葉がどこから生まれ、古来から 人々が「ヨーガ」にどのような解釈を試みていったのかを辿っていきました。 西洋哲学を志していた金菱先生はインドの風土に身体丸ごとで触れたことで、 魅せられ、インド哲学へと進路を変更されたそうです。その時の熱量を今も 変らず研究へと注ぎ続けておられるのを、語り口の端々に感じ続けた あっという間の時間でした。

●第二講座のGumiさんからは、古代インドの大長編叙情詩『ラーマヤナ』を インド楽器バーンスリーの奏者であり、音楽CDも多数制作発表されている Gumiさんならではの演出で語って頂きました。 登場人物が明快に共有できるようにプロジェクターに写し、 物語の世界観に似合ったBGMに乗せながら、 「いつも朗読していると感極まってしまうのです」というくらいに、 読み込んでおられる耳なじみのよい声で、参加者全員はすっかり『ラーマヤナ』 の世界へと入り込み、講義終了時に唱えたマントラで沸き起こった静寂が なんとも心地よく、しばらくそのまま浸っていたい気分になりました。

普段のヨーガ「マットの上でポーズをする」ハタヨーガに対して、この日はじっくりと古典を通してラジャヨーガを深めることができました。ヨーガの古典に触れたことで、参加者のみなさんのヨーガの知がまた一段と深化する機を得られたのではと思います。
